石垣市の教職員などを対象にした新型コロナウイルスワクチンの先行接種が29日、市総合体育館メインアリーナで始まった。市は教職員、保育士などを市民生活に欠かせない業務に従事する「エッセンシャルワーカー」と位置づけ、高齢者の集団接種に合わせ、6月までに先行接種を完了させる。中山義隆市長は29日、個別接種が始まる6月には、基礎疾患保有者も先行接種の対象としたい考えを示した。
29日は教職員やごみ収集業従事者など約200人が来場した。30日は保育士や幼稚園教諭などが先行接種を受ける。
教諭の女性(42)は「10代の感染が増えてきているので、学校でのクラスター(感染者集団)発生を防げれば」と期待。特別支援学校教諭の男性(41)は「さまざまな障害を持っていたり、病弱な子どもたちと接しているので、先に接種を受けることには安心感がある」と話した。
高齢者の集団接種は平日、八重山地区医師会などが対応しているが、金曜日から3日間は県医師会、県看護師会、県薬剤師会から応援の人員が入り、接種人数が拡大されるため、エッセンシャルワーカーの接種が可能になった。
接種人数は平日は1日最大200人程度だが、土曜日の29日の予約枠は高齢者だけで約900人、エッセンシャルワーカーも含めると約1100人設定した。この日の接種人数は1127人に達し、初めて1000人を超えた。
先行接種の対象職種はほかに、放課後児童クラブ、給食センター、火葬場職員など。1372人が接種を希望しているという。市はキャンセル待ちの枠などで八重山署の警察官にも接種を進めている。
一方、中山市長は八重山日報の取材に対し、6月から始まる高齢者の個別接種と同時期に、64歳以下の基礎疾患保有者への先行接種も開始したい考えを示した。
かかりつけ医による個別接種を想定しており「八重山地区医師会と仕組みづくりについて話している」と述べた。