新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新したことを受け、玉城デニー知事は4日夜、県庁で記者会見し、在宅医療を拡大させるための調整に入ったことを明らかにした。
軽症者を宿泊療養施設で治療する現状の体制に変更はなく、今月中旬には本島中部でも新たな施設が稼働する。ただ、患者増に伴い在宅で治療する患者も増えるため、県健康管理センターのスタッフを動員する。患者の状態を把握する「パルスオキシメータ」も約2000個を追加で準備する。
専用のコールセンターも設ける。患者の入院先が決まらない場合に備える入院待機ステーションも再稼働した。既に6人が利用した。
県は宿泊療養施設の更なる確保に向けて調整を進めている。
県内の検査体制は官民合計で1日約9000件だが、県は抗原検査キットも使い、更に拡大させる。
県や市町村(那覇市、沖縄市、うるま市、北谷町)、商工会議所、商工会などが連携し「感染拡大抑制プロジェクト」を立ち上げる。地元企業を訪問し、会食自粛や情報周知、健康管理などを呼び掛ける。玉城知事は「早ければ今週末から対応する」と説明した。
国はアストラゼネカ製ワクチンの優先配布を県に提案した。玉城知事は会見で①接種の間隔を8週間以上空けることが望ましいとされ、他種のワクチンに比べ接種完了に時間がかかる②40歳以上が対象になるため、接種会場での運用が複雑になる③職域接種でも希望がない―ことを挙げ「県内ではニーズがないので(活用が)困難ではないかと答えた」と断ったことを明らかにした。ただ、医療機関には一定数配布されるという。
感染拡大を受け、玉城知事は沖縄振興予算獲得のため予定していた5日の上京を取りやめ、要請はオンラインで行う。