石垣市の中山義隆市長は5日、市役所で記者会見し、新型コロナウイルス感染拡大を抑えるため、6日から1週間の「飲み会禁止令」を出す、と発表した。法的な強制力はないが、飲食店だけでなく自宅に集まっての飲み会も含め、市民に自粛を要請する。沖縄本島の「第5波」襲来を受け、石垣市でも感染者数が急増しており、中山市長は「全国の感染ピークが過ぎるまで市中感染への移行を抑え込めれば、ワクチン接種率アップに伴い、市内での活動も徐々に元も戻していける」と理解を求めた。
飲み会の参加者はマスクを外して飲食するため感染が広がりやすく、飲み会の自粛を徹底することでクラスター(感染者集団)発生や市中感染の芽を摘む狙いがある。中山市長は「一緒に暮らしている家族以外との飲食は皆で徹底的に我慢しよう。それである程度抑え込める」と強調した。
市の感染状況について「多くが陽性者の濃厚接触者で、現在のところ市中感染が広がっている状況には至っていない」と指摘。一方で感染力が強いデルタ株が主流になりつつあるため、現状のままだと本島に似た感染拡大が起き、市独自の非常事態宣言を出す可能性も排除できないとした。
観光のハイシーズンを迎える8月~9月の感染抑え込みに向け、ワクチン未接種の観光客や帰省者などに対し①PCR検査か抗原検査で陰性を確認してから来島する②やむを得ない事情で来島後に検査する場合は、空港で販売している抗原検査キットや、南ぬ浜町の民間検査場などで受検する―ことを求めた。
現時点では観光客に来島自粛を要請していないが、中山市長は2日の記者会見で「ルールを守らない人は来ないでください」と述べた。