石垣市の中山義隆市長は11日、市役所で記者会見し、辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う2月の県民投票に参加しない方針を明らかにした。「埋め立てにノーという多数意見が出ても工事は止まらない状況だ。有効性に疑問が残る」と指摘した。記者会見に先立ち、謝花喜一郎副知事が石垣市役所を訪れ、県民投票に協力するよう要請したが、中山市長は応じなかった。県民投票に参加しない市は宜野湾、宮古島、沖縄、石垣の4市に拡大した。
中山市長は記者会見で➀県民投票条例の制定過程で、地方自治法に定められた市町村との事前協議がない➁県民投票で、米軍普天間飛行場の早期返還や、危険性除去のための移設という前提が確認されていない➂玉城デニー知事が辺野古移設反対派と連携しており、県の投票事務執行が客観的・中立的に保証される担保がない―と批判。
市議会でも県民投票の予算案が二度にわたり否決されたことについて「今後の市政運営で市議会との信頼関係は必要不可欠」と述べ、地方自治法の原案執行権は行使せず、県民投票を実施しないと表明した。
市民の投票権が奪われるとの意見に対しては「県民投票をやらないでという要請も受けており、市民にはさまざまな考え方がある」と反論。「県民投票でどのような結果が出ても何も変わらない状況だ。直接民主主義は、市長や議会のリコールなど、何か結論が出るものだ」と県民投票の意義に改めて疑問を呈した。
最終判断を公表したタイミングについて、他市の動向や謝花副知事との意見交換を踏まえたと説明。「(普天間飛行場の地元である)宜野湾市長の判断は重い」と述べた。
県民投票の拒否に政府や自民党の働き掛けがあったとの見方に対しては、完全に否定した。