尖閣設置の標柱完成 市長、国に上陸申請へ

石垣市が尖閣諸島に設置予定の標柱と説明板をお披露目する中山市長と平良議長=23日午後、ユーグレナ石垣港離島ターミナル2階

 尖閣諸島の字名変更を現地で表示するため、石垣市が製作した標柱が23日、ユーグレナ石垣港離島ターミナルでお披露目された。石垣島産の御影石を原材料に使用しており、市は尖閣諸島の5島に1本ずつ設置を計画。今後、国に設置のための上陸を申請する。

 尖閣諸島の魚釣島、南小島、北小島、久場島、大正島には1969年、当時の石垣喜興市長が設置した標柱があり「登野城」と字名が記されている。石垣市は昨年10月、字名を「登野城尖閣」に変更したため、標柱を一新して新たな字名を表示することを決めた。
 尖閣諸島周辺海域では中国海警局船が領海や接続水域への侵入を繰り返している。石垣市には、標柱設置によって尖閣諸島が日本の領土であり、市の行政区域であることを明示する狙いがある。
 5本の標柱は高さ1㍍8㌢で、表面には「八重山尖閣諸島」という文字と島名、裏面には字名の「登野城尖閣」と番地が記されている。魚釣島には、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬も含めた島名を記した説明板も設置する。
 標柱、説明板は市出身の書家、茅原南龍氏が揮毫(きごう)した。69年設置の標柱も茅原氏の揮毫という。製作には、ふるさと納税約200万円を活用した。
 市はこの日のお披露目をユーチューブで生配信。中山義隆市長と市議会の平良秀之議長が除幕した。中山市長は中国海警局船の領海侵入などに触れ「尖閣諸島と周辺海域を取り巻く環境は大変厳しい。このような状況下にある尖閣諸島を、市民、国民に広く正しく知っていただくことが重要」と強調した。
 お披露目後、報道陣の取材に対し、字名変更について「行政手続きの一環。新たに領土を主張するためではない」と説明した。国は上陸申請を認めない方針を示唆しているが、中山市長は「国は淡々と認めてほしい」と述べ、許可されれば自ら上陸する考えを示した。
 標柱は上陸申請が許可されるまでの間、離島ターミナルで年末年始にオープン予定の「尖閣諸島情報発信センター」(仮称)で展示する予定。

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