現工場改修、働き方改革も 石垣島製糖が創立60周年

60周年を迎え、さらなる飛躍を誓った松林社長(中央)と社員ら=6日午後、石垣島製糖㈱

 石垣島製糖㈱(石垣市名蔵、松林豊代表取締役社長)が6日、創立60周年を迎えた。松林社長は「新工場の建設を前提に、現工場の設備を一部完全自動化する。安定的な操業により、社員の働く環境をより良くしたい」と今後の目標を語った。

 松林社長(70)は砂糖の製造加工を行う千葉県の新東日本製糖㈱で管理職を歴任し39年間勤務。2015年に石垣島製糖㈱の9代目社長に就任した。
 6年間を振り返り「同じ原料を扱う仕事とはいえ、これほど自然の影響を受ける事業は初めてだった。大変なこともあったが、天候にも恵まれ、産糖量は安定している」と話す。
 2017年度は収穫面積が大きく増加し、産糖量1万1028㌧を達成。そのほかの就任期間も7000㌧を下回ることはなく、安定的な出荷を維持してきた。
 サトウキビの植え付け時期にあたる6~8月などは定期的な水やりが必要だが、同社の工場にはスプリンクラーの設置が一部ないため、給水車で対応することもある。
 収穫から精製糖工場へ出荷するまでの製糖期間が150~170日間とほかの地域に比べて長いこともあり、処理能力の向上を図るため、将来的には新工場の建設が必要になってくる、と語る松林社長。
 「就任当初から新工場建設は目標。今後もそれは変わらないが、輸送費も含めると約270億円の高額な予算と長い時間がかかる。現設備の改修が優先だ」と説明。
 4~5億円をかけて現工場の清浄システムと結晶缶を完全自動化にする予定で、新工場にも活用できる仕組みを作る。自動化により現在の3交代を2交代にし「働き方改革」に沿った労働時間抑制につなげたいという。
 常勤するスタッフは50人余りで、製糖期間には100人に増やして対応する。現在は新型コロナウイルスの感染対策を徹底しながら勤務に当たっているという。記念式典と祝賀会は、感染防止の観点から開催を控えた。
 松林社長は「製糖産業を魅力ある職にしたい。老朽化した現工場の延命措置を行い処理能力を上げるとともに、新工場建設に向けて引き続き取り組む。皆が働きやすい環境づくりに努める」と決意を新たにした。
 同社は1961年9月6日設立。資金5万㌦(1525万円)で発足し、翌年には黒糖生産販売に加え分密糖工場とするための工場を稼働した。現在の原料処理能力は1日当たり1000㌧。2009年には排水処理施設を建設し、地域環境の保全にも努めている。

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