【視点】沖縄の選挙イヤー幕開け

 沖縄の選挙イヤーが幕開けした。日本の外交や安全保障に影響する重要選挙が目白押しで、全国的な注目度も高い。地方の選挙は各自治体の事情に左右されがちだが、より広い視野で選挙の意義を考えてみることも必要だ。
 米軍普天間飛行場の移設先である名護市では16日に市長選が告示され、移設に反対する新人の元市議、岸本洋平氏(49)、岸田文雄政権が支援する現職の渡具知武豊氏(60)の一騎打ちとなった。23日投開票される。
 名護市長選では毎回、辺野古移設の是非が問われ、候補者は移設反対と容認に色分けされる。岸本氏は移設反対を明確に打ち出したが、渡具知氏は移設には直接触れず、子育て支援など市民生活の向上を第一に掲げた。
 政府は選挙結果に関わらず移設を進めることになるが、作業を円滑に進めるには地元の協力が欠かせない。その意味では市長選の結果は、移設の行方に一定の影響を及ぼすことになる。
 辺野古移設は争点の一つではあるが、辺野古だけがワンイシュー(唯一の争点)としてクローズアップされる状況は健全ではない。地域が抱える課題は多岐に渡り、有権者が多様な争点をバランス良く判断することが大切だ。

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