【視点】沖縄の選挙イヤー幕開け

 16日には南城市の市長選も告示された。
 尖閣諸島を行政区域に抱える石垣市の市長選は2月20日告示、27日に投開票される。
 前回市長選では陸上自衛隊配備の是非が最大の焦点に浮上したが、今選挙は現職、中山義隆氏(54)に対し、保革共闘体制に支えられた保守系市議、砥板芳行氏(52)が出馬を表明した。両氏とも自衛隊配備は容認する立場であるため、配備の是非は争点にならない見通しだった。
 ただ砥板氏の擁立に反発する革新系市議、内原英聡氏(37)が出馬の意向を示し、自衛隊配備の白紙撤回を主張した。砥板氏は住民投票の実施を訴えているが、内原氏の出馬によって、今選挙も自衛隊配備のあり方が問われる可能性が高くなっている。
 政府は中国が尖閣諸島周辺での活動を活発化させている現状を受け、与那国島から奄美大島に至る南西諸島で防衛力の強化を進めている。石垣島でも来年度の駐屯地開設が見込まれる段階に来ているが、誰が市長になるかは、駐屯地の運用にも大きく関わってくることになりそうだ。
 沖縄最大の政治決戦は秋に予定される知事選だ。名護、南城、石垣も含め、各市の市長選はすべて一面、知事選の前哨戦でもある。玉城デニー知事の再選出馬が有力視されているが、対抗馬はまだ決まっていない。
 現在、知事を支える「オール沖縄」勢力の市長は11市中5市。今後、勢力図がどのように消長するかは、知事選にも波紋を及ぼす。
 沖縄では新型コロナウイルスが急激に再拡大している。選挙活動と感染対策を両立するのは容易ではないが、昨年のように「選挙クラスター」が起きる事態は何としても防がなくてはならない。各陣営関係者、有権者双方に自覚が求められる。

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