石垣市は2022年度、一般廃棄物最終処分場の延命化に向け、処分場のかさ上げと廃プラスチックごみの掘り起こしを同時並行で進める。処分場は現状のままだと22年度内にも満杯になる計算だが、かさ上げなどで約15年の延命化を見込む。市は22年度、クリーンセンター(ごみ焼却施設)の基幹的設備改修も予定しており、ごみ処理のインフラ整備が大きく進むことになる。
市によると、最終処分場の容量は約14万立法㍍。年間約5000立方㍍のペースでごみが埋め立てられている。昨年時点で残りの容量は約5000立方㍍に減少し、満杯が目前に迫っていた。
市は処分場の周囲を土砂で約5㍍かさ上げし、新たに3000立方㍍の受け入れ容量を確保する。かさ上げに使用する土砂は公共事業の残土を使う。工事費は約2億6500万円を見込む。
事業実施に当たり、石垣島への陸上自衛隊配備に伴う防衛省の補助事業を活用。今年4月には防衛省から補助金の内示を受ける予定で、その後入札、発注、着工という流れになる。順調なら6月議会への工事請負契約提案になりそうだ。
これと併せ、処分場に埋まっている廃プラスチックの掘り起すことで、市は年間計5000立方㍍程度の受け入れ容量が生まれると試算している。
掘り起こしに向け、プロポーザル方式で選んだJV(共同企業体)と昨年10月に契約を結んでおり、既に作業は始まっている。掘り起こした廃プラは梱包し、JVが固形燃料として活用する予定という。市は、近く直近の掘り起こし量などのデータ提供を受ける。
掘り起こしの事業費は年間約3000万円で、処分場の15年延命化が実現した場合は総額4億5000万円となる。かさ上げの工事費約2億6500万円、設計費約3000万円を足した総事業費は約7億5000万円。防衛省の補助金総額は約2億円を見込んでおり、市の負担額は約5億5000万円となる。
市は昨年度から、新たな最終処分場の候補地選定にも着手。現処分場が満杯になる15年後の供用開始を念頭に置く。
老朽化が進むクリーンセンターの基幹的設備改修には新年度予算で約22億円を計上した。市環境課は「クリーンセンターも最終処分場も、市民の生活衛生に欠かせない施設。一刻も早く整備を進め、安心安全な暮らしにつなげたい」(大城智一朗課長)と語った。