うるま市勝連南浮原島(写真1)。この島の南側沖合の、水深約17㍍の海底にあるのが、南浮原島沖海底遺跡だ。かつて唐船が難破し、島の干瀬に打ち上げられたとの伝承がある。地元のダイバーが、伝承に合致するような遺物を海底で確認したという。なお、過去には国内外のダイバーによって遺物が回収され、大きく報じられたこともある。
この海域での船舶の事故記録は確認されていないが、遺物の内容からすると1872年に英国船が沈没した宜名真沖海底遺跡に似ているという。
沖縄県立埋蔵文化財センターの調査から、中国産白磁や青花、欧州産陶器、産地不明の磁器、金属製品、木製品、石製品、ガラス製品、動物の骨などが回収されている(写真2)。
また、海底には木造船の残骸の一部が確認された。一体、どこの国の難破船なのだろう。
(写真提供=沖縄県立埋蔵文化財センター。同センター第87集 沖縄の水中遺跡・沿岸遺跡ー沿岸地域遺跡分布調査報告ーの記事を再編集いたしました)。