新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、八重山の医療機関が危機的状況にあることを確認した。県立八重山病院のコロナ対応病床使用率は14日朝の時点で122%に達しており、同病院の松茂良副院長は会議後の記者会見で「医療機能提供体制は十分に機能していない。けがや重篤な病気でも入院できるかは難しい状況」と説明。同病院は医療崩壊している状況だと危機感を示した。
八重山病院は14日朝時点でコロナ病床使用率は122%、酸素投与を必要とする患者は3人、人工呼吸器の患者は1人。コロナ、非コロナ含めてこれ以上の入院は困難な状況という。
院内ではクラスター(感染者手段)も発生し、感染者と濃厚接触を含め、全職員の約1割に当たる52人が休職。14日から1つの病棟を閉鎖し、限られたスタッフをコロナ病床、重症病床に振り分けて対応している。現在入院中の患者も複数人を退院させるなどの対応で急場をしのいでいるという。
徳洲会病院も透析患者の感染が確認された。池村綾院長は「大きな感染が確認されると透析の期間を開けたり、通常の医療では考えられないような対応に迫られる可能性がある」と危惧した。
県によると、八重山では7月に入り13日間で2614人が感染。すでに4、5、6月に比べ2倍となっており、感染が異常なペースで拡大している。
感染力が強いとされるオミクロン株の派生型「BA・5」への置き換わりが進んでいることが要因と見られる。
かりゆし病院の境田康二院長は「『BA・5』の置き換わりと広がり方が今までとは違う。だが、やることは同じで、今までの感染対策をより確実に実施してほしい」と呼び掛けた。
また石垣市消防本部から緊急搬送の要請が増えていることから八重山事務所の曽根淳所長は「緊急性を考えて要請してほしい。発熱外来等を予約する際も自家用車でお願いしたい」と協力を求めた。