「島守る役割果たす」 陸自石垣駐屯地が発足 市長、住民との協調要望

井土川陸将補(中央)、井上1等陸佐と面談する中山市長=16日朝、市役所

防衛省は16日、石垣島平得大俣地区で陸上自衛隊石垣島駐屯地を開設した。中国が台湾や尖閣諸島への進出を図り、沖縄を取り巻く国際情勢が緊張を増す中、南西諸島で残された「防衛の空白地帯」が解消される。部隊発足に当たり、この日、陸上自衛隊第15旅団長の井土川一友陸将補と八重山警備隊長の井上雄一朗1等陸佐は市役所に中山義隆市長を訪問。井上陸佐は「島と島民を守る役割をしっかりと果たす」と決意を示した。中山市長と井戸川陸将補らの面談は10分程度行われ、冒頭のみ報道陣に公開された。中山市長は「市民の皆さんに不安を与えないよう配慮をお願いしたい」と要望した。
面談後、報道陣の取材に応じた中山市長は「市民との対話を求めた。万が一の災害支援の役割を果たしてもらうためにも、住民と協調しながらことを進めるべき」と指摘。22日に予定される住民説明会に関しては「情報をオープンにしながら信頼関係の構築につなげてほしい」と期待した。駐屯地の開設後に説明会が開かれる理由は「日程調整上の都合」と説明した。
駐屯地開設に対する一部住民の抗議に関して「行政で何かを行う際は、賛成、反対に分かれるのは当然。皆さんの声に耳を傾けながら、適切に運営していく」と語った。
一方、石垣島の沿岸での上陸訓練の実施については「市民の理解を得られない」と懸念を表明。実施が検討された場合には、事前に住民説明会を求めると強調した。
石垣駐屯地には、新たに編成される八重山警備隊(仮称)、熊本県の健軍駐屯地から移駐する第303対艦ミサイル中隊、長崎県の竹松駐屯地から移駐する第348高射中隊地、駐屯地の業務を行う業務隊、会計隊など総勢約570人が配備される予定。面積は約47㌶。
装備は八重山警備隊が中距離多目的誘導弾、8・1㍉迫撃砲、第303地対艦ミサイル中隊が12式地対艦誘導弾、第348高射中隊が03式中距離地対空誘導弾など。4月2日には駐屯地開設の記念行事が開かれる。
防衛省は南西諸島の防衛強化のため、奄美大島、宮古島、与那国島で陸自配備を進めており、今回の石垣島で一連の配備が完了する。

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