地域にある古民家を次世代に受け継ぎ、利活用を目指す組織「全国古民家再生協会」の沖縄第2支部の設立総会が20日午後、大濱信泉記念館で開かれた。八重山地区を拠点に、県内2番目の支部として活動する。支部長には一般社団法人八重山古民家協会の味間剛代表理事が就任した。沖縄第一支部の長堂昌太郎会長(代理・有岡哲司副理事長)が参加し、連合会調印式も行われた。今後は連携を強化し、古民家の利活用やまちづくりを含めた古民家の一体的な取り組みを進めていく。
同支部は古民家鑑定士の有資格者で構成。古民家鑑定などの情報やノウハウを会員間で共有し、調査、再生、活用、解体、売却など、地域の実情に応じて解決する取り組みを進める。全国的には自治体と連携したまちづくりや資金獲得などのサポートを行っている。
古民家は築50年を経過した木造組み工法の伝統構法か在来工法の建物を指す。県内に築50年以上経過する木造古民家は推計で7420棟あるとされ、特に八重山では戦禍を免れた建築が多いとされているという。
古民家はライフスタイルに合わずに維持管理や解体するにも経済的負担が大きく、職人の技術継承などさまざまな課題がある。
全国で蓄積されたノウハウや事例を参考にし、古民家を安全に次世代に受け継ぐ活動や、価値を見出す取り組みを進めていく考え。
味間支部長は「古民家を再生したり、残す取り組みを継続的に進め、きちんとビジネスにできれば地域の産業として良い循環が生まれる。八重山の地域で古民家の価値を見出す形を作り、より良い未来を作っていきたい。企業や個人が参加しやすい枠組みになれば」と期待した。
同支部は全国で72番目の支部として設立された。