野生牛の全頭捕獲宣言 伊原間地区で62頭捕獲 石垣市

第4回石垣市伊原間地区野生牛対策協議会が行われ、「全頭捕獲宣言」を発表した=11日、石垣市役所

第4回石垣市伊原間地区野生牛対策協議会(会長・棚原長武市農林水産商工部長)が11日午前、石垣市役所で開かれ、2021年6月から取り組んできた伊原間地区での野生牛の捕獲や赤外線カメラを搭載したドローン調査の結果、継続して野生牛が確認されていないことから「全頭捕獲宣言」を発表した。
野生牛は伊原間牧野組合が運営する伊原間牧場から脱柵して繁殖し、野良牛となった可能性が高いと見られている。21年2月には県道206号線で野生牛と車の大きな衝突事故があり、同年6月に同協議会が発足した。
同組合から土地の一部を購入した農業生産法人やえやまファーム(中家勝則代表)が20年1月~22年2月にかけて、独自に43頭を捕獲。同年3月には猟友会が協力し、銃器による一斉駆除で16頭を捕獲した。
ほかにも獣道や水場中心に60カ所のわなを設置し、22年7月に2頭、8月に1頭を捕獲。23年3月末までに野生牛捕獲の累計は62頭に上っている。
以降は仕掛けたわなに野生牛はかかっておらず、猟友会による見回りでも足跡やフンなどは見られなかった。今年10回に渡る赤外線ドローン調査でも確認されず、野生牛は残存していないと判断し、野生牛の「全頭捕獲宣言」となった。
やえやまファームの中家代表は「一番避けたいことは、市民の方に被害がでてしまうことだったので、(捕獲宣言が)達成できたことは本当にありがたい。今後も定期的な確認は必ずやっていきたい」と感謝を述べた。
棚原会長は「農業生産法人、猟友会、食肉センターなどの関係機関に感謝したい。二度とこのような事案が発生しないよう再発防止に向け、生産者に周知を図っていきたい」と話した。
宣言に伴い、封鎖していた伊原間―明石間のエコロードは開放済みとなっている。当局はゲートの戸締りの徹底を呼び掛けている。
今後、万が一野生牛が発見された場合には、土地の所有者、管理者が石垣市への情報共有など対応するとしている。

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