台風2号は当初予想された進路をそれ、八重山は直撃を免れた。石垣市内では、市民らが台風対策に追われた。大型スーパーなどでは市民の買いだめで生鮮品などの食料品が品薄に。物資の入荷は八重山周辺のしけが収まったあと、週明けごろの見通しとなっている。
市内のある大型スーパーでは、海上のしけなどが原因で商品を入荷できず、生鮮品や豆腐の品切れが相次いでいる。店舗内で製造している弁当や惣菜の商品棚も空に。
1日時点で、カップ麺などはまだ在庫に余裕があるという。担当者は「何とか在庫でもたせられたら」と気をもんだ。
市街地の家屋や事業所では、窓にテープを十字に張って補強したり、ネットを掛けるなどの台風対策が目立った。島田聖羅さん(27)は「洗濯機がベランダにあるので、洗濯槽に水を溜めた。こうすれば動かないから」と話した。
旅行業の西表淳さん(43)=登野城=は「カップ麺、コメ、カロリーメイト等の非常食は確保した」。八重山で食料品が品薄になるのを見込んで本島在住の妻の友人から、段ボール詰めの非常食を送ってもらったといい「家族で感激している」と笑顔だった。
清掃業の髙島好勝さん(42)=登野城=は「家の中の飛びそうなものを片付けた」と話す。台風の進路が当初の予報より東にそれたことから「今回はいつものように『がっちり』と対策はしていない」と安堵の表情も見せた。
パン職人の女性は「早めに買いだめを済ませたので、パンの製造にはおそらく影響しない。これから観光客向け商品のソースなどを仕込もうと思っている」と落ち着いた様子。「(直撃が予想される)宮古島の被害が拡大しなければ」と祈った。
台風の影響は離島にも。与那国島の商店で働く鵜川美智子さん(39)は品切れを見越し、接近前に入荷を増やした。「船が入らないと生鮮食品や牛乳、葉物野菜は入荷がストップしてしまう。今回は船の運休が長引かなさそうでよかった」と話した。