急患増で診察2、3時間待ち 7波以来の高水準、感染予防呼びかけ 八重山病院が緊急会見

会見する和氣院長=22日、八重山病院

県立八重山病院を受診する救急患者が急増し、17日は100人を超えたことが分かった。新型コロナウイルス感染が疑われる患者も多く、同院によると、昨年7月の「第7波」以来の高水準だと言う。和氣亨院長は「このままコロナ感染が拡大すれば、医療が破綻しかねない」として、警戒を呼び掛けている。
八重山病院が公表したデータによると、同院の救急室を受診した患者は5月29日から70人以下で推移していたが、今月17日ごろから急増。同日は105人、18日は92人が受診した。うち発熱患者はそれぞれ33人、34人だった。
同院の救急室では、日中の診療を救急医、午後8時以降を内科、小児科などの当直医が担当する体制をとっている。だが現在は、急患が急増していることから、診察まで2、3時間程度かかるケースもあると言う。救急医の1人は「職員間で新型コロナが広まれば、今後さらに待ち時間が伸びる可能性がある」と危機感を募らせる。
新型コロナ患者用の病床は、重症者用が1床、それ以外が10床用意されているが、22日時点で満床となった。
和氣院長は、最近の患者について「会食や旅行をしていなくても、(新型コロナの)感染が疑われる人がいる」と指摘。「第9波」の拡大を受け、警鐘を鳴らした。
22日、「八重山病院からのお願い」を発表し①感染拡大を防ぐ②救急医療を守る―ことを市民に呼び掛けた。和氣院長は、同日の会見で「新型コロナが指定感染症5類に分類され、マスク着用も個人の判断に委ねられるようになったことで、皆さんの気が緩んでいるのでは。これ以上八重山のコロナ患者が増えないよう、手洗い、マスク着用など感染予防にしっかり取り組んでほしい」と強調。夜間の発熱に関しては「市販の解熱剤で対応して、朝、開業医などを受診する方法もある」と提案した。
また、同院では現在「面会制限」を実施しており、患者が危篤など、急を要する場合にのみ面会を認めている。一方で、職員から「外部からの感染を徹底的に防ぐべきだ」といった意見があがり、今後は面会禁止措置を検討する。職員間でも、大人数での会食など感染リスクの高い行動を自粛する方針を固めた。
県保健医療部によると、新型コロナ患者に対応する県内の重点医療機関のうち、20日時点で23機関中7機関が救急診療制限を、27機関中3機関が一般診療制限を行っている。

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