離島の暮らし支援策を 玉城氏一問一答

 離島報道各社の取材に対し、玉城デニー氏の一問一答は次の通り。
 ―大差での勝利になった。
 「翁長雄志知事の遺志を私が引き継ぐことへの県民の支えと、私が掲げた『新時代沖縄』などへの期待を込めての得票をいただいた。感激している」
 ―普天間飛行場の辺野古移設をどのように阻止するか。
 「辺野古の基地建設については、移設に反対であるという多くの民意が今回の選挙で表された。私の選挙の大きな争点は、辺野古移設の賛否だった。私は明確に反対を訴え、県民の審判を問うたが、相手候補は賛否には触れず、県民に審判をあおぐ機会を作らなかった。県民が私に信頼を寄せたのは、辺野古移設に反対であるという民意に即する」
 ―子育て支援包括センターの全市町村設置と航空運賃の低減、離島出身生徒の寄宿舎整備などの公約実現に、どう取り組むか。
 「母親が妊娠し、母子手帳が交付され、母子保健がスタートする。包括支援センターを拠点整備し、生まれてから18歳までの切れ目のない支援をすることで家庭負担の中の費用が軽減される」
 「離島の子どもたちが安心安全に生活ができ、勉強ができる環境を作るためには寄宿舎の整備を求められる方は多い」
 「離島と本島との行き来は、主に空路だ。負担軽減が図れるようにサポートする」
 ―離島の観光や農業などの振興策は。
 「生鮮食品を作る人、加工する人、売る人、運ぶ人など分業化し、ネットワークを成り立たせ繋げ、観光と農林水産畜産業、加工、販売を一体化させ、観光・経済の裾野を広げる。従事する県民の裾野を広げたい。離島で生活ができる。離島での暮らしを安定させるために、離島の魅力に目をつけ、伸ばすことが必要だ。シーフードの分野は、まだポテンシャルがある。離島で生活する人たちの生活に還元できる仕組みを作りたい」

 ―宮古、八重山への陸自配備計画への対応は。
 「専守防衛の役割を担う自衛隊の存在は認める。離島では急患輸送を担うし、全国的には災害救助で活躍し、国民が敬意を評する存在だ。宮古・八重山の配備計画は地域住民のコンセンサス(合意)を得る協議が行われていないのではないかと懸念する。与那国配備の件では、賛成反対の住民の間で、しこりが2年経っても残っている。専守防衛は国策で国の専権事項でも、配備計画については十分住民の皆さんと協議をすることが第一だ。施設の強行建設は断じて認められない」
 ―西表島を含む世界自然遺産登録への考えは。
 「地域の皆さんに関心を持ってもらう。地域を活用するためのツールになることを知ってもらう。(登録されると)全国・全世界から学びにやってくる。学びの環境にも寄与する。琉球弧には独特の食生活や動物など個性豊かだ。世界自然遺産登録は、沖縄全体の魅力を世界に発信するツールになると思う」
 ―尖閣諸島問題は。
 「尖閣諸島が日本固有の領土であることは当然のこととして知られている。しかし国有化したことで、中国公船の水域への関与が高まってきている。お互いがお互いの主張を表に出してしまうとどうしても噛み合わない。特に漁民にとっては平和の海には到底ならない。どうすればお互いが良好な関係を保てるか、真摯に話し合うチャンネルをつくってほしい」
 ―八重山・宮古の有権者に一言。
 「離島で生活するために基盤作りが大事だ。最たるものは、医療と福祉の公的な整備だ。宮古・八重山の人々の暮らしも生活が安定できるように支援策を届ける。島んちゅのアイデンティティが誇りに思えるようにサポートする」

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