北朝鮮が「人工衛星」と称する事実上の弾道ミサイルを24日から31日に発射すると通告したことを受け、沖縄県や石垣市は前回(5月31日)の発射と同様の体制で備える。
県は22日付で危機管理対策本部を設置。同日付で、県八重山事務所総務課を地方本部総括班として課長を含む9人体制で対応する。主に八重山3市町への電話連絡で各地域の被害状況を把握する。巡回パトロールなどを行う予定はない。同体制を31日午前0時まで継続する。
市は防災危機管理課を中心に警戒態勢を取る。平日は午前6時から出勤する職員もおり、輪番制で警戒態勢を取る。北朝鮮が南西諸島上空を通過するようにミサイルを発射した場合、国は全国瞬時警報システム(Jアラート)などを使い、県民に発射を伝える。その後、防災危機管理課が防災無線やSNSを使って市民に順次情報を提供する。
石垣市南ぬ浜町に展開した自衛隊の地対空誘導弾(PAC3)は、人工ビーチや公道に隣接している。Jアラートが発出された場合、市民の安全確保を優先するため、自衛官が一時通行止めを行う予定。
一方、市民はミサイル発射予告を冷静に受け止めている。
登野城漁港の60代漁業の男性は「国が騒ぎ過ぎで報道が煽っているのではないか。漁には影響がない」と無関心を装った。「石垣島よりも南方沖まで出漁するマグロ漁船の漁師たちも『影響はない』と言っていた」と、ミサイルを頭から追い出すように話した。
全日本港湾労働組合沖縄地方本部の波照間忠執行副委員長は、「ミサイル発射に関しては、全港湾として動く予定はない」と淡々と語った。
石垣市南ぬ浜町の自衛隊展開期限は31日まで。防衛省は、延長が可能か問い合わせており、市は今後対応を検討する。
与那国町では23日、役場職員が防災無線を使って、Jアラートが発出されたときは速やかに屋内に避難するよう住民や観光客に呼び掛けた。テレビ、ラジオの情報にも注意するよう求めた。