石垣市が3回目となる尖閣諸島周辺の海洋調査について、来年3月の実施を目指し調整中であることが1日、分かった。魚釣島北側でドローンによる空撮を行う方向で検討している。政府は尖閣諸島の上空にドローンを飛ばすことを容認している。
石垣市議会9月定例会で嶋田廉企画部長は年内に海洋調査を実施する方針を示していた。ただ、関係筋によると調査に使用できる船舶が限られている上、冬季は北風が吹くため、影響が小さい年度末の実施が検討されているという。
今年1月の2回目の調査で石垣市と東海大はドローンを使用した空撮を実施。民間のチャーター船の甲板から2種類のドローンを複数回飛行させ、魚釣島南側の大部分を撮影。記録映像を残した。
ただ、島の上空は飛行せず、ドローンは南側の海面を東側から西向きに移動した。3回目の調査は尖閣諸島の上空を飛行する予定。
尖閣問題を巡り、中国側は日本政府の動きには敏感に反応するが、過去に東京都が行った取り組みや石垣市の調査活動には表面上は反応していない。自治体の行動に対しては、中国側は政府レベルの反発を控えている可能性がある。
東海大学の山田吉彦教授は「中国は、尖閣周辺で既に日本を排除したと国内向けにアピールしているため、日本の自治体が調査している事実を伝えられない」と見る。
日本政府も調査活動は石垣市が主体となって行っているとして、容認している。石垣海上保安部などの巡視船が市の調査船を警護し、尖閣周辺に常駐する中国海警船の妨害行為を防いでいる。