石垣駐屯地が一般開放 住民ら1800人以上が来場 敵艦隊の接近想定し離島防衛の訓練公開

訓練展示の最終場面で、八重山警備隊の隊員が小銃などで敵役を制圧した=7日午前、石垣駐屯地

 陸上自衛隊石垣駐屯地(井上雄一朗司令)は7日、地元住民に施設を公開した。「石垣駐屯地やいまDAY2023」と銘打ち、離島防衛を想定した訓練を披露。南西諸島の防衛力強化に関心が高まるなか、自衛隊の抑止力を示し、地域住民に駐屯地開設の意義を強調した。カレーの無料配布や車両の体験試乗、装備品の展示、音楽隊による演奏会なども行い、地域住民との交流を図った。

 午前10時過ぎから始まった訓練の展示では、最初に所属部隊が保有する車両が披露され、続いて隊員が機関銃や小銃の空砲射撃を行った。
 続いて、63人の隊員が参加する離島防衛訓練が披露された。仮想敵の艦隊が接近してきたと想定。地対艦ミサイル中隊が迎撃。迎撃をかわして上陸した一部の敵部隊が重要施設に侵入するのを防ぐため、ドローンやバイクを使って偵察。状況連絡を受けた隊員が装甲車を使って出動し、小銃で空砲を発射し、制圧した。銃撃戦で負傷した隊員を救助、搬送する場面も組み込まれた。
 各場面は案内役の隊員が実況アナウンスして説明。レーダーを積んだ車両や、ミサイル発射車両が登場すると、車両の使用目的や、隊員が車両の周りで行う作業を「水平を維持するため」などと細かい解説も入り、来場者に手順がわかりやすいよう工夫も施された。隊員同士の命令、発射報告の通信内容も放送され、制圧が伝えられると、来場者から拍手がわいた。家族4人で訪れた40代男性は「北朝鮮のミサイル、台湾有事と、八重山が狙われる不安はある。石垣駐屯地が、どんな抑止力を持っているか、概略はわかった。訓練を公開してくれてよかった」と、話していた。
 石垣島駐屯地によると、1827人(招待客162人、一般1665人)が来場。カレーの無料配布に長い列ができ、配布広場に展示されたミサイル発射車両や、装甲車、偵察バイクなどを撮影して楽しむ姿が見られた。
 石垣島では、14日から月末まで米海兵隊と陸自の大規模合同訓練「レゾリュート・ドラゴン」が行われる。新石垣空港には陸自の輸送機Ⅴ22オスプレイが初めて飛来し訓練に参加する。

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