県離島振興市町村議会議長会(新田長男会長)は14日、那覇市の自治会館で第10回定期総会を開き、日本と台湾が2013年に結んだ日台漁業協定(取り決め)の見直しを求める要望決議を可決した。決議では、台湾側との操業ルールの策定がないまま協定が発効したことで、台湾漁船と沖縄の漁船との衝突事故などのトラブルが発生したと指摘。台湾漁船の操業増加で県内漁業者の安全操業に影響が出ていると問題視した。トラブル回避のため、沖縄側が操業を自粛しており、生活にも影響が出たと明記した。
同協定の適用水域は北緯27度以南の東シナ海。域内操業などを日台漁業委員会で協議する「特別協力水域」と、相手国の漁船に自国の関係法令を適用しない「適用除外水域」の2つの水域で構成される。尖閣諸島は適用除外水域にあり、特別協力水域は尖閣の東側、沖縄本島と宮古島の間の水域に設定されている。
決議では尖閣周辺水域は沖縄のマグロ漁業や底魚一本釣り漁業にとって重要な漁場と強調。しかし地元への説明がないまま締結され、台湾が主張するよりも広い水域での操業を台湾側に認めたため、好漁場の縮小が余儀なくされ、容認できないとした。
昨年に行われた特別協力水域の操業ルールの見直しで、八重山北方三角水域の一部で日本側のルールで操業ができる水域は確保された。一方で県内漁業団体が主張してきた日本の漁法は全面的に適用されていない。同水域は日本の排他的経済水域内であるため、国際法の趣旨に従い、日本側の漁法による操業ルールを実現するよう要望した。