第2回竹富町シマムニ発表会(町、同町教育委主催)が9日、小浜公民館で開催された。町内の島々に残る方言(シマムニ)の保存継承を目的に小浜島、黒島、西表島から4地区の公民館が参加。各公民館の代表が昔話やスピーチを各地域の方言で披露した。
9つの島々で構成される竹富町では、生活様式の変化などで各地域に伝わるシマムニが消滅の危機にある。町と教育委は、年1回ペースでシマムニ発表会の開催を決定。今回は2019年に開催された第1回(竹富島)に続き2回目。コロナ禍を経て4年ぶりに開催された。
小浜島代表の花城正美さん(74)は、地元に伝わる昔話を披露。神が様々な鳥の鳴き声を聞き、それぞれに役目を与えたストーリーを語った。
黒島代表の宮良哲行さん(77)は、漂流した島民をサメが助けた伝説を紹介。恩情に感謝し島内ではサメを食べない習わしがあると説明した。
西表島干立地区代表の齊藤幸平さん(45)は移住者。島内では猪狩りの時期だと説明し、獲物を捕獲した人の動きをユーモラスに表現した。
西表島古見地区の代表は、石原和義さん(57)、髙松由美さん(52)、髙松凛武君(13)=大原中1年=、今村陽月さん(11)=古見小6年=、玉舘海美さん(7)=同2年=の5人。民話「花咲か爺さん」を演劇で表現。同地区の方言で話しながら演じた。
4地区の発表後、花城さんが再び登壇。10月に与那国島で行われた方言サミットに竹富町を代表して出席したため、参加報告を行った。「沖縄を含め、全国には消滅の危機にある言語がある」と説明。普及啓発を図るため、間違えても気にせず、町民が気軽に方言で会話する環境づくりが大切だと訴えた。
発表後、前泊正人町長が登壇者を表彰。シマムニの普及を図る発表会であるため、優劣を判定せず登壇者全員をたたえた。
前泊氏はあいさつで「シマムニは重要な文化遺産だ。価値を見直す機会を提供し普及啓発を図りたい」と力を込めた。
終了後、髙松君は「楽しかった。また参加したい」、今村さんは「いろんな方言に聞き比べることができて良かった」、玉舘さんは「発表が成功し嬉しい。成果を友人に伝えたい」とそれぞれ感想を話した。次回の第3回の開催地は黒島を予定。