県議会米軍基地関係特別委員会(仲宗根悟委員長)は2日、辺野古移設の賛否を問う県民投票条例の審査を行い、条例制定請求者3人から意見を聴取した。参考人として意見を述べたのは、条例制定に必要な署名を集めた「辺野古」県民投票の会の代表・元山仁士郎氏、副代表の安里長従氏と中村昌樹氏。元山氏は「埋め立てを承認し、撤回する権限は今後も知事にある」「県民の意思に基づいて移設の判断を行うためには、県民投票を実施することが最も効果的である」と主張し、条例制定の意義を訴えた。
参加した委員からは、条例案では、辺野古移設に賛成か反対かの選択肢しか無いことを疑問視する声が相次いだ。地元名護市選出の末松文信氏(自民)は「以前行われた名護市民の投票では、選択肢は4択だった。いろんな県民の思いがある」と指摘。照屋守之氏(自民)も「今の県民の思いは、賛成反対で片付けられる状況ではない」と指摘。地元が生活のために、米軍施設の移設を受入れた過去を紹介し「辺野古の民意はどうするのか」と問うた。
元山氏は「(住民感情は)複雑だと実感している」と述べた。その上で「その状況を(区民に)強いているのは日本政府だ。民意も固定化されるわけではない」と反論。また、「辺野古区が受入れた当時は、憲法も法律も適用されないような人権侵害もまかり通る中での米軍基地建設だ。反対だが、仕方がなかったという事情もあると思う」と語り、県民投票は必要だと訴えた。
維新の会の當間盛夫氏は「県民投票で決めるのは大賛成だが、何故、今、県民投票なのか」と疑問視。移設に関する最高裁の判断後に県民投票で決めようとしていると指摘し「県民の判断は司法判断を上回るのか」と問うた。
中村氏は県が行った撤回判断は合法な行政行為だと指摘し「(それ以前に行った)承認取り消しが最高裁に認められなかった判断に縛られる必要はない」と指摘した。