当初年間10億円赤字 日台の富裕層開拓目指す 石垣・基隆定期フェリー

 石垣市役所の石垣・基隆定期フェリー航路開設準備課は26日記者会見し、定期航路開設に向けた事業展望を発表した。使用する船舶「ナッチャン・レラ」を一般的な用船契約を結ぶと年間で10億円の赤字が発生するが、船舶を割賦とすることなどで支出を圧縮。一方で運賃補助の導入などで収入増を図り、採算ベースにのせていく計画を示した。また船舶は、台湾有事の際には、住民避難での利用も示唆した。

 嶋田廉企画部長によると、乗客運賃を片道2万円、石垣市民は1万5千円、貨物1トン1万円と設定。旅客を400人(乗船率50%)、貨物150トン(積載率30%)として年間200航海した場合の収入を年間12億円と算出した。支出は資本費4億円、船費6億円、運航費12億円で計22億円と予想。年間10億円の赤字を埋めるため、資本費は、船舶の購入にあたりBBCHP(10年間の割賦販売)と呼ばれる方式を使って圧縮し10年間で支払う方式に調整している。
 市の呼びかけでJV(共同企業体)を立ち上げ、現在のオーナーのワゴングループからJVが契約当事者となって買い取り、10年後に所有権を移転する。
 JVには地元企業をはじめ、船舶の運航、乗客輸送のノウハウを持つ企業の参加を求める。誘客、集貨にも市が全面的にバックアップする方針。このほかにもネーミングライツや免税店での売り上げで収入を増やし、一方パナマ船籍、フィリピン人船員への切り替えなどコスト削減を図る。
 石垣ー台湾間では、空路の開設を目指す動きがあるが、嶋田部長は「ゆったりとした旅を求める富裕層を呼び込みたい」と、日本、台湾の富裕層から新規需要やリピーター需要を生み出す考え。
 嶋田部長は、「住民避難に使うこともありうると考えているが、与那国島には入港できる港がない」と明らかにした。

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