ミサイル想定 石垣で初訓練 新栄公園から市民会館に避難

防災無線を聞いて、市民会館に避難する参加者=12日午前、新栄公園

 石垣市は12日午前、弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練を国、県と合同で行い、市民も含め計94人が参加した。ミサイルが沖縄上空を通過するとの情報がJアラートで流れたと想定し、防災無線で聞いた住民が新栄公園から市民会館に避難した。弾道ミサイル飛来を想定した避難訓練は、県内では与那国町、那覇市に続き3番目で、石垣市では初めて。

 避難訓練は、県が市内で13番目の国民保護避難施設に市民会館を認定したことを受けて実施された。参加者は新栄公園にいたところ、弾道ミサイルの発射情報を知ったとの想定で、市民会館に向かって避難を開始。途中の道路は交通制限が行われ、市、消防関係者らが参加者を誘導した。
 参加者は落ち着いた様子で歩いて市民会館大ホールに入り、座席に座ると身をかがめて頭を押さえ、ミサイル落下に備えた。安全が確認され、訓練は終了した。
 訓練に先立ち、市民会館の中ホールで事前説明があり、内閣官房の門脇祐司参事官補佐が訓練概要や弾道ミサイルの特徴、Jアラート、緊急速報メールなどの国の情報伝達手段について解説。
 この中で「国が情報を流した時点で既にミサイルは発射されている」と述べ、津波よりも早い避難が必要との認識を示した。「外にいるなら建物の中へ移動する。なければ、物陰に身を伏せて頭部を守る。屋内にいる場合は、窓から離れてほしい」と求めた。また「日本周辺には国際ルールを守らない国が存在するため、やむを得ず政府は訓練や啓発を行う。国民の生命や安全を守ることにつながる」と強調した。
 訓練は午前10時に開始される予定だったが、機器のトラブルで市の防災無線が中断。約10分後に再開した。
 午後からは、石垣市へのミサイル着弾を想定した市職員の対応訓練が市役所で行われた。 

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