下水道使用料1300万徴収漏れ 確認不十分で最長18年放置 石垣市

会見した中山市長(写真左)と運道部長(同右端)=2月29日、市役所

 石垣市は2月29日の記者会見で、農業集落排水処理施設(下水道)の使用料について、賦課徴収漏れがあったと発表した。大浜や宮良、白保の一部地域で計169世帯に対し総額1300万5958円の徴収漏れがあった。このうち、603万6920円は時効で徴収不可(2006年から18年12月まで)。残り696万9038円(19年1月から23年12月)は地方自治法に従い遡及納付を請求する。

 対象地域は農業集落排水事業で下水処理を行っているが、2017年4月に下水道課に移管された。移管前の工事で事業者による関連書類の提出が行われず、市当局のチェックも不十分のまま賦課徴収されず、最長で18年ほど徴収漏れが放置された。
 昨年6月ごろに下水道課で未徴収に関する書類が発見され、発覚。顧問弁護士への確認などを行い、11月ごろ、対象世帯への調査も行った。
 169件のうち、29件は既に時効で徴収不能。残り140件に対し、市は今年1月から各家庭に職員を派遣し経緯を説明し謝罪し、最長5年分を遡って料金を払うよう求めた。最高の請求金額は1世帯で44万円。
 このうち、2月22日時点で56件が未納分を完納。30件は分割納付に応じた。納付回数は最大で60回になる世帯もある。残る54件中、市側と分割納付の方法を相談中が14件あるが、10件は相手先の所在が不明で通知書類が送り返された。
 会見で中山市長は「通常は水道料金と下水道料金を一緒に請求するが、手続きをやらないと請求が発生しない。行政内部の手続き不備や業者からの届出がなかったため、下水道の料金が請求されていなかった」と説明。同席した建設部の運道徹部長も「市側の手続きミスがあった」と認めた。
 今後、市は残る世帯を説得し未納分の請求を行う。

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