与那国駐屯地 電子戦部隊が発足 中国にらみ対処能力向上

電子戦部隊が配備された与那国駐屯地(2023年10月14日撮影)

 防衛省は21日、与那国駐屯地に電子戦部隊を配備した。新部隊は、敵側の通信を傍受しレーダーを妨害する「電子戦」を担当する部隊で、40人ほどの隊員が新しく赴任。駐屯地内で進められていた新庁舎の建設も完了した。日本最西端にある駐屯地の機能を強化し、台湾侵攻をうかがう中国軍への対処能力を向上させた形だ。

 「電子戦」は、電磁波領域の戦い方。自衛隊は「宇宙」や「サイバー」を加えた3領域と既存の「陸海空」の領域を合わせた複数領域での戦いに対応するため、能力を強化している。
 「電子戦」はロシアによるウクライナ侵攻でも重要な役割を果たした。侵攻する相手の電波利用を無力化。ミサイルや無人機(ドローン)などの通信も妨害し誘導能力の無効化を図る。
 自衛隊は他国の航空機や艦船などが出す電波を収集、分析し通信・レーダーを妨害する装備・ネットワーク電子戦システム(NEWS)を運用する電子作戦隊を2022年3月に新編。沖縄の陸自部隊の一部には同システムを配備した。詳細な能力は公表されていない。
 与那国駐屯地には電子作戦隊の下部組織である第101電子戦隊と第301電子戦中隊から、それぞれ一部の隊員が赴任した。
 沖縄防衛局が昨年5月に町内で開催した地対空誘導弾部隊の配備に関する説明会では、電子戦部隊の今年度配備も説明があった。
 防衛省は与那国駐屯地東側の土地(約18㌶)を新年度から2025年度にかけて取得予定。03式中距離地対空誘導弾(改善型)能力向上型を配備し島民を空爆から守るため、機能を強化する。
 陸自配備を巡っては、同日、離島奪還の専門部隊「水陸機動団」に第3連隊(約600人)が新編され、同団は3000人規模に増加した。沖縄本島では、第7地対艦ミサイル連隊がうるま市に新編された。石垣や宮古、奄美大島にある各駐屯地の地対艦ミサイル部隊を指揮統制する。

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