「21世紀の万国津梁」目指す 県が地域外交方針を説明

「地域外交」基本方針の説明会で発言する平和・地域外交推進課の玉元課長(中央)=19日午後、八重山合同庁舎

 県平和・地域外交推進課は19日、玉城デニー知事が推進する「地域外交」の基本方針説明会を八重山合同庁舎で開いた。「21世紀の万国津梁」を目指し、県が独自のネットワークを生かしてアジア・太平洋地域の平和構築と発展に貢献するとの目標を示した。
 県は今年3月「地域外交基本方針」を策定。新年度の4月には、県庁の知事公室内にあった「地域外交室」を格上げし、同課を新設した。
 玉元宏一朗課長は「地域外交」の概念について、県が2010年に策定した沖縄21世紀ビジョンで提示されていると指摘。「地域外交の取り組みは新しく始まったのではなく、以前から沖縄県が進めようとしている」と述べ、群馬県、静岡県も地域外交課を設置していると紹介した。
 他県の地域外交との比較について「知事のリーダーシップで地域外交を進めている点は共通している」とした上で、沖縄県は世界各国に「ウチナーンチュ」のネットワークを持っていることが特徴とした。
 アジアの緊張緩和に沖縄として関与できる点を問われ「交流や対話など、ソフト分野で平和構築に寄与したい。できるところからやっていく」と強調。
 県庁内でこれまで国際交流を担当してきた交流推進課との事業分担に関しては、主に交流推進課が民間交流、平和・地域外交推進課が政府機関や自治体同士との交流などを担っていると説明した。
 説明会には行政機関や民間団体の関係者などが参加。「(南西諸島の)軍事要塞化が進む中で、地域外交を全面的に推し進めるのが、それを乗り越える大きな力になる」「政府は抑止力で有事にさせないようにしているが、そうではなく、琉球が外交で交流してきた歴史を生かしてほしい」という声が出た。
 県は今月から県内各地で地域外交基本方針に関する説明会を開いており、今後、宮古島市、那覇市、沖縄市でも開催を予定している。

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