地域の観光客動向を可視化 宿泊地、滞在時間帯も把握可能に 「カルテ」がバージョンアップ OCVB

「おきなわ観光地域カルテ」のバージョンアップを発表したОCVBの真鳥洋企専務理事、米谷保彦企画・施設事業部長、坂本麻美マネージャー(左から)=19日午後、沖縄産業支援センター

 沖縄観光コンベンションビューロー(ОCVB、下地芳郎会長)は19日、来県した観光客の動向を市町村またはスポット別に分かりやすく可視化し、ウェブサイトで提供する「おきなわ観光地域カルテ」をバージョンアップした、と発表した。観光客数や、観光客がどの都道府県から来ているかなどのデータに加え、観光客の宿泊地や、スポット別に滞在している時間帯なども把握可能になった。「カルテ」は誰でも閲覧可能で、ОCVBは「各地域がデータを基にした観光戦略を立案しやすくなる」と活用に期待している。

 「カルテ」では、市町村または特定の観光スポット別に、観光客の数、属性(出発地、性別、年代)、観光客がどこに行っているか(行動)、どこを行き来しているか(周遊)の情報を掲載。バージョンアップでは新たに、観光客がどこに宿泊しているか、どこに、何時に来ているかというデータも可視化した。
 ОCVBは各地域の観光行政や観光事業に活用してもらおうと、業者と覚書を交わしてGPSに基づいたデータを購入。琉球大学との共同研究で県内を1684カ所に分割し、分析した上で公表している。市町村別だけでなく「町丁目」やスポット単位で観光客の動向を把握可能で、昨年3月から運用開始した。
 「カルテ」を活用することで、例えば市町村が県外で観光プロモーションを行った地域から、その後、観光客がどれくらい増えたのか、観光客がその市町村内で宿泊し「素通り観光」になっていないかなどの情報も、定量的に把握できる。
 「カルテ」は月一回、毎月5日前後に更新され、前々月のデータが掲載される。スポットの場合、従来は観光客の動向を人流の多い上位20位までしか表示できなかったが、バージョンアップで全スポットの表示が可能になった。
 今後もバージョンアップを続ける予定で、近くインバウンド(海外観光客)のデータを追加した検証版を公開する予定。
 沖縄産業支援センターで記者会見した企画施設事業部企画課の坂本麻美マネージャーは「データをもとに効果的な事業を生み出し、観光地の経営をスムーズ回せる。今後もデータを追加し、精度を上げていきたい」と話した。

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