八重山に津波注意報 沿岸から避難呼び掛け 到達は確認されず

中城湾港をパトロールする巡視船=30日(第十一管区海上保安本部提供)

 ロシア極東・カムチャッカ半島付近を震源とするマグニチュード8・7の地震の影響で、気象庁は30日午前9時40分、八重山地方に津波注意報を発表した。石垣市、竹富町、与那国町は住民に対し、沿岸部からの避難を呼び掛けた。八重山地方への津波到達予想時刻は午後1時半ごろとされたが、午後4時現在、津波到達や被害は確認されていない。

 石垣港を発着する定期船便は津波注意報発表後の便を全て欠航。市内店舗は一時臨時休業。市内の公共施設も臨時休館するなど各自治体も対応に追われた。
 県内で到達した最大の津波は宮古島平良で午後5時56分に20㌢、沖縄本島で中城湾港で午後2時3分、南城市安座真で午後4時41分、那覇市で午後5時13分、離島では南大東漁港で午後4時34分にいずれも10㌢を観測した。
 石垣島気象台の担当者は、津波注意報の解除について「本日中(30日)は継続する可能性が高い」とした。津波注意報の発表中は、海や川には絶対に近づかないよう呼び掛けている。
 県は関係機関の連絡会議を開催。県の吉田英紀危機管理補佐官は「津波は一波のみでなく、繰り返し襲ってくる。遊泳場になっている入り江や岬突端部は第2、3波のほうが予想より高いことがある。50㌢でも足を取られて海に引き込まれることがある」と指摘した。

 石垣港から竹富町の離島行きの定期便を運行する八重山観光フェリーと安栄観光は午前10時以降の便を欠航とした。
 島々から石垣港に船便で向かう予定だった利用者に対しては、八重山観光フェリーと安栄観光が午後4~5時台に臨時便を運航した。
 石垣市は午前9時45分、知念永一郎副市長をトップとする対策本部を設置。避難広報車、SNSや防災無線で海岸付近から離れるように呼び掛けた。市内のこども園などの施設から市役所に166人が自主避難。市役所1階コミュニティルームを待機所として開放した。市内の学校や避難ビルには延べ655人が避難した。

 津波注意報の継続中、市は市健康福祉センターを避難所として開設している。午後6時現在、市内では事故やけが人の報告は受けていない。
 竹富町は全町民に対して沿岸付近から離れるように避難を指示。避難所の開設は見送った。
 与那国町は避難施設を開設せず、町役場や自衛隊が潮位の変化などを監視した。漁港では船を陸揚げする対応が取られた。
 第十一管区海上保安本部は港に停泊している船に対して避難を指示し、係留ロープなどで固定するように呼び掛けた。

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