来月の日米訓練、上地氏「反対」 政府はハイマース初展開検討 与那国町

石垣市での訓練後、米軍機に搬入されるハイマース(写真中央)。与那国町にも同型機で空港に搬入後、駐屯地に移動すると見られる=24年10月29日撮影、石垣空港

 陸上自衛隊と在日米海兵隊などが中心になり来月に実施される実働訓練「レゾリュート・ドラゴン25」(RD)を巡り、与那国町長選で初当選した上地常夫氏は27日、取材に応じ「訓練に反対する」と明言した。防衛省は与那国島で米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」の初展開を検討している。上地氏は28日に町長に就任する。

 上地氏は29日、防衛関係者から正式に訓練内容の説明を受ける予定。選挙戦では「与那国に車両などを持ち込むような日米合同訓練はなじまない」と訓練に否定的な考えを示した。図上訓練であれば容認する意向と見られ、27日の取材に対して今後、防衛省が訓練内容を変更する可能性に期待した。

 糸数健一町長は政府の安全保障政策には全面的に協力する姿勢を示しており、過去に町内で実施された日米共同訓練で、地元の合意に関する問題は起きていなかった。上地氏の就任で町の対応は大きく転換する。

 政府は台湾有事の抑止に向け、日米の軍事協力を重視しており、台湾から約110㌔の距離にある与那国町は重要な拠点となる。上地氏が訓練反対を明確化したことで、政府は対応に苦慮することになりそうだ。

 「ハイマース」は、さまざまな種類のロケット弾・ミサイルを運用できる発射機。米軍は既に実戦に投入し対テロ戦争などで使用。ロシアによる侵攻に対抗するため、ウクライナにも供与した。
 石垣島には昨年、別の合同訓練の一環で一時搬入された。石垣空港に輸送機「KC130」が着陸。降ろされた「ハイマース」は大型車両で石垣駐屯地に展開した。

 RDは数年前から1年に1回のペースで、国内で実施される日米合同訓練。中国の軍拡に対抗し台湾有事を抑止する目的で行われ、石垣島と与那国島では毎年実施されている。

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