菅義偉官房長官は2日の衆院予算委員会で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、玉城デニー県知事と来週にも会談する意向を示した。「来週、日程が合えば虚心坦懐(たんかい)に話を聞きたい」と述べた。普天間飛行場の早期返還を目指す政府方針を説明して理解を求める考えだ。
予算委後の記者会見では「原点は、普天間の危険除去だ。そこをどのように考えているか、知事にうかがいたい」と語った。玉城氏が検討を求めている辺野古以外の移設先については「対案は現実的にはないのではないか」と指摘した。
辺野古移設によって➀現在、宜野湾市で1万数千件ある騒音対策設備がゼロになる➁移設後、代替施設の面積は普天間飛行場と比べ、3分の1に縮小される➂沖縄に2万8千人といわれる米軍人の3分の1に当たる9千人がグアムなどに移転する―というメリットを挙げた。
反対派が移設を「新基地建設」と呼んでいることも疑問視。民主党政権時、当時の鳩山由紀夫首相が移設先を「最低でも県外」と掲げながら、最終的には「学べば学ぶほど」と述べ、辺野古に回帰した経緯があるとも指摘した。
安倍晋三首相は予算委で「基地負担軽減のための政府の取り組みを粘り強く丁寧に説明したい。理解を得る努力を続けながら、普天間の一日も早い返還に取り組む」と決意を示した。
工事は国土交通相が10月30日、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回処分の効力を一時停止すると決定したのを受け、11月1日に再開された。玉城氏は反発し、安倍晋三首相との面会を求めている。
菅氏と玉城氏の会談では、年末の2019年度予算編成に向け、沖縄振興予算についても意見交換するとみられる。