石垣市の於茂登、開南、川原、嵩田の4公民館館長らが10日午後、市平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画に関する「意見交換会の実現に向けての申し入れ」に対する市からの回答には「誠意が感じられない」として、意見書を再度、市に提出した。
館長らは昨年の11月5日付で▽予定地周辺の自然環境・生活環境が破壊、汚染されないという科学的根拠の提示▽有事の際の具体的な住民避難計画の提示―などを列記し、2回目の意見交換会を実現するための「申し入れ」として市に提出していた。
これに対し市は同月26日付で▽(環境に配慮し)関係法令等を遵守し必要な措置を講じる▽全島規模の武力攻撃やテロ等の事態が予測されたら、国・県より避難指示が発令される。それを受けて市長は、石垣市国民保護計画に基づき「避難実施要領」を作成し、全市民の島外避難が検討される―などと書面で4公民館長宛に回答した。
今回の意見書では「避難計画での石垣市の対応の具体案がない」「(4月に市長が防衛省に質問・要望を伝えたが)省からの回答を得ていない」などが不満点として挙げられ、開南公民館の小林丙次館長は「4月の質問・要望の全てに回答がなく、科学的根拠も示されず、全く誠意が感じられない」と憤った。
対応した知念永一郎総務部長は意見書に対し「精査して回答できるものは回答する」と答えた。
知念部長の「(調査の内容など)これまでの議会で答弁している」との発言に、「議会を見ておけということか」などと批難の声が上がる場面もあった。
取材後のインタビューで知念部長は「こちらとしては(全てのことを)要約して書面回答したつもり」とし、「法令は科学的根拠に基づく数値を基準に作られている。それを遵守するというのは科学的根拠を満たしていると考える」と指摘。
「国民保護計画に基づく避難実施要領パターンはすでに作成され、武力攻撃時の避難パターンも多数想定されているが、逃げる場所を公開してしまうと意味がなくなるので公開できないことになっている」と話した。