石垣市議会(平良秀之議長)は14日の12月定例会最終本会議で、尖閣諸島の字名が「登野城尖閣」に変更されたことに伴い、現地に字名を明示した標柱を設置するよう求める決議を賛成多数で可決した。宛て先は市。中山義隆市長は決議後の取材に対し「重く受け止める。地権者である国の了解が必要になると思うので、調整したい」と述べ、国に上陸を申請する考えを示した。
決議では「(尖閣諸島が)石垣市の行政区域であることを国内外に広く知らしめるためにも新たな行政標識は必要」としている。仲間均氏が提案した。
野党の井上美智子氏は反対討論で「(標柱設置で)安心して漁ができるようになるとは思えない。国際社会に尖閣が領土であることを認めてもらえるよう、政府の外交努力が求められる」と主張。採決では与党12人と野党の砂川利勝氏が賛成、野党の8人が反対した。
市は1969年(昭和44年)、当時の石垣喜興市長が尖閣諸島の魚釣島、久場島、大正島、南小島、北小島の5島に番地を記した標柱を設置した。しかし50年が経過し、現在、標柱の文字は読めないほど風化しているという。仲間氏は、69年当時と同様、市の行政事務の一環として標柱を設置できるとしている。
中山市長は「設置が可能であれば現地に赴きたい」と上陸に意欲を示した。
来日した中国の王毅外相が記者会見などで尖閣諸島の領有権を主張した問題で、政府に対し厳しい抗議を求める意見書も全会一致で可決した。記者会見に同席した茂木敏充外相がその場で抗議しなかったことについて「事態は格段とエスカレートしているにも関わらず、即座に毅然とした対応を取らなかったことは、尖閣諸島領有の正当性を自ら後退させるものに等しい」と批判した。
尖閣周辺で操業する日本漁船を「真相がわかっていない一部の日本漁船」と呼んだ王氏の発言については「日本の漁船が尖閣諸島周辺海域で操業する権利を侵害する発言であり、断じて容認できるものではない」と改めて抗議した。砥板芳行氏が提案した。