【視点】訪米も具体的な展望見えず

 「翁長知事の遺志を継ぐ」と表明して知事選に勝利したとはいえ、現知事が前知事の発言を機械的に「引き継ぐ」だけでは、新たな展望が望めないのは当然だ。
 翁長県政も日米両政府に対する要請行動を繰り返し、法廷闘争に打って出たが、結果的にはすべて失敗し、辺野古移設工事は着々と進んでいる。14日の杉田和博官房副長官と謝花喜一郎副知事の協議も平行線に終わった。
 玉城知事が、前知事の急逝という予期せぬ事態で登板を余儀なくされた事情は理解できる。だが、問われているのは辺野古移設をはじめとする米軍基地の諸問題で、前県政とは異なる独自の戦略を展開できるかだ。
 玉城知事は来年1月末から2月にかけて辺野古移設を問う県民投票を実施する方針も示したが、もともとは県ではなく移設反対派の有志が始めた運動であり、切り札がそれだと言うのは他力本願の極みだろう。
 日本維新の会の下地幹郎衆院議員は「過重な米軍基地負担は、自らが提案し、実行していかなければ解決することはない」「『国任せ・国の責任』と言い続けるのは、過重な基地負担を解決しなくても良いという無責任な人たちの遠吠えでしかない」と指摘した。現状分析として的確と言える。

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