県産甘しょの普及啓発を図る日となる「いもの日」の11月16日、JAおきなわ八重山支店で「いもの日講演会」(県かんしょ生産振興協議会主催)が開かれ、約60人が参加した。講演では食の開発プロデューサーの植木宏氏、石垣市甘しょ生産組合事務局長の大城智芳氏が講話し、沖夢紫の産業波及効果と今後の可能性を語った。
植木氏は沖夢紫について、国内、東南アジア、アセアン諸国のなかで「圧倒的な競争力がある」と断言。香港の富裕層向けスーパー「シティスーパー」10店舗中、2店舗で沖夢紫が出品されていることを伝え、「安納イモよりおいしいのではないか、と言われている」と紹介した。年間で2200㌧の甘しょが国外に輸出されているという。
同氏は沖夢紫を産業化することで、農家の所得向上や雇用創出につながることを示し、「新しいサービスか要素があれば産業波及効果の起点となりうる」と評価した。質疑応答では沖縄県全域の課題として、「貯蔵するという発想がない」と指摘。「安定供給、在庫管理、マーケティングを三位一体でやることが大事」とアドバイスした。
生産農家の大城氏は、生産組合の状況を報告。当初は思うように収量が伸びなかったが、収量アップのカギは苗だと気付き、軌道に乗り始めたことを紹介した。大城氏は「加工業者の要求を達成できるようになる。最終的には600㌧もいける」と話した。
このほか、関連イベントとして、沖夢紫の冷凍保存パックの無償配布などを行った。