沖縄本島北部と西表島などの世界自然遺産登録に向けて検討するワーキンググループによる会議が11月30日、県男女共同参画センターで開かれた。環境省や県から担当官が参加。大学関係者が意見を述べた。推薦書の保護管理に関する記載内容の修正や包括的管理計画・行動計画の改訂、モニタリング計画の基本方針について議論した。
保護管理計画をまとめた資料では、米軍の北部訓練場の返還により、やんばる国立公園の区域が拡張されたとの文言を追記。さらに世界自然遺産に推薦する地域は同訓練場に隣接すると指摘。同訓練場により自然環境は保全管理が図られており、推薦資産に対する重要な実質的緩衝地帯として機能していると評価した。
沖縄本島北部や西表島の世界自然遺産登録を巡っては、今年6月1日に国が推薦取り下げを決定。諮問機関の懸念を払拭できていなかったとの指摘が出ていたが、11月2日に再推薦を決定。来年2月1日までに管理・行動計画をまとめた推薦書を再提出したい考えだ。来年夏頃に国際自然保護連合(IUCN)による現地視察が行われ、早ければ2020年に登録の可否が決まる予定。
米軍の訓練場に関する記述は、新たに追記された。米軍との取り決めで保全管理がされているとし、景観の連続性に貢献し、固有種や絶滅危惧種に重要な生息地を提供していると指摘した。
またワーキンググループでは、ヤンバルクイナやノグチゲラ、イリオモテヤマネコなどを調査・管理・維持し、遺産価値の保全を継続できる仕組み(=モニタリング)を作り、登録に向けた一助にしたい考えだ。