石垣駐屯地で30日、創立1周年記念式典が行われた。市民に隊員の活動を紹介するため、式典や観閲行進、装備品展示が行われた。来賓や隊員家族、住民など約1300人が来場。輸送車の体験試乗や那覇駐屯地から派遣された第15音楽隊の演奏を楽しんだ。
式典には、隊員約600人中165人が参加。国旗や八重山の3市町旗も掲げられた。
今年1月の能登半島地震や支援任務中の海保機事故、昨年4月の宮古沖陸自ヘリ墜落事故の犠牲者に黙とうが捧げられた。
八重山警備隊などの部隊が行進。巡閲した井上雄一朗司令は昨年10月の駐屯地一般開放や石垣島まつり、ハーリー大会、豊年祭などを例に挙げ、「石垣住民と市民である隊員の交流は進んでいる」と強調。「感謝を忘れず、地域のための駐屯地を目指す」と決意を述べた。
石垣市の行政区域である尖閣諸島の領有権を主張する中国を念頭に、「戦後、最も厳しく、複雑な状況が続く」と指摘。「(駐屯地は)八重山の島と住民を守る抑止力であり続ける」と宣言した。
昨年10月には、石垣島で初めて日米訓練を実施し、中国をけん制してきた。
来賓を代表し中山義隆石垣市長が祝辞で、平和外交を進めつつ「自国を守る能力を示し、戦争を回避するのが自衛隊」と強調。「駐屯地は国民の生命と財産を守る存在」と評価し、隊員の活躍に期待した。昨年末の市内断水に対する駐屯地の給水活動にも感謝した。
観閲行進では、八重山警備隊をはじめ第3地対艦ミサイル中隊、第348高射中隊などの車両が来場者に披露された。行進後、車両や武器、装備品などが展示された。体育館で第15音楽隊の演奏も行われた。駐屯地の正門付近では、自衛隊が管理するビオトープの観察会も行われた。