2018年度文化財めぐり「オヤケアカハチゆかりの地めぐり」が1日、開催された。市教育委員会文化財課が主催するもので、定員30人に24人が応募。市役所ピロティーで出発式が開かれた後、バスに乗り込んで、オヤケアカハチゆかりの地を、講師の松島昭司(石垣市文化財審議会委員)さんとともに巡った=写真。
一行は美崎御嶽からスタート。フルスト原遺跡、大浜集落のアカハチ像、崎原公園のオヤケアカハチと古乙姥の墓、川平村の仲間満慶山が住んだとされるヤドピキヤー、長田大主をかくまった崎枝姥の墓、追手から逃れるため長田大主が身を隠した場所として知られるナータガマなどを、昼食を挟んでバスで訪れた。
なかでも長田大主が隠れて暮らしたとされる自然のガマ(洞窟)であるナータガマでは、参加者の多くが実際にそのガマに入って、長田大主のガマでの気分を体験。
狭いながらも奥への広がりもあり、そんなガマの中で、再起を思いつつ、西表に逃れる契機をうかがっていた長田大主の5百年前の気持ちに思いをはせた。
予定にはなかったが時間に余裕があったため、国指定の重要文化財の旧和宇慶家墓も見学。玻武名家が建てた墓で、後に石城山へ墓を移して和宇慶家へこの墓を譲り、和宇慶家も移してこの墓を石垣市に寄贈。残されている大規模墓は、内部には石棺もあり、上部が屋根の形をした珍しいもので、参加者は、熱心に写真に収めるなどしていた。
オヤケアカハチの時代の伝説はさまざまに残っており、これにまつわる遺跡巡りは、この時代の英傑たちに関心持つ歴史好きな人にはうれしいイベントとなった。