石垣島の高校生が、過去・現在・未来の課題と向き合い解決策を提示していく、石垣市公営塾ドキュメンタリー映像試写会(主催・同塾)が5日、大濱信泉記念館多目的ホールで開かれた。約20人が3班に分かれ、制作した約10分間の短編ドキュメンタリー映画を上映した。3作品は各国の映画祭や、2019年12月にゆいロードシアターに出品が予定されている。
A班は「島で生きていく」と題した離島と医療がテーマで、八重山の現在の医療問題に注目した内容。B班は「よそもの海人(よそもの漁師)」と題した移住者と海人(漁師)に焦点を当て、石垣島の活性化の鍵をにぎる移住者と、それを支える人たちに話を聞き、誰もが住みやすい島にするための方法を探していく内容。C班は「消えゆくスマムニ(消えゆくしま言葉)」。島言葉は何のために継承していかなければならないのか、島言葉の原点に迫り、継承していく方法を探していく内容。
A班の監督を務めた上野優佑君(八重山高校3年)は「島の医療の解決策が遠隔医療。島の高校生が映像を世界に発信できる」と述べた。B班の監督を務めた島仲烈君(同高校3年)は「日本の現在の課題は人口の減少。その中でも石垣は人口が増えているから良いテーマだった」と振り返った。C班の監督を務めた祖納大樹君(同高校3年)は「スマムニは昔から伝えられてきた言葉だからこそ、私たちの世代で止めてしまうのは間違っている。この島に住む多くの幅広い世代に映像を見てもらい、後世に伝承してもらいたい」と強調した。
また作品はロンドン国際学生映画祭、香港国際映画祭、タンペレ映画祭などに出品予定。生徒らはクラウドファンディング「南の島の高校生から発信!!~未来の私たちのために~(https://motion―gallery・net/projects/ishigakijuku)」で制作費用などを集めている。