港内での遊覧船衝突を想定 3機関、那覇軍港で初訓練

水上訓練の様子。手前が那覇消防のボートで、奥が米陸軍のボート=12日午前、那覇港

 那覇市消防局と豊見城消防本部、那覇軍港消防署は12日、那覇港内で遊覧船同士による衝突事故が発生し、数十人の乗船者らが海に投げ出されたとの想定で、救助訓練を実施した。3機関が合同で、那覇軍港内で訓練をするのは初めて。

 那覇市消防局は米陸軍との間で「消防相互援助協約」、豊見城消防との間で「消防相互応援協定」を、それぞれ結んでおり、大規模水難事故などが発生した場合、連携することが決められている。訓練には那覇から25人、豊見城から11人、米陸軍から6人がそれぞれ参加した。
 那覇の隊員らは岸壁で待機する隊員と、泳いで要救助者を助けに行く隊員に別れ、救助を開始。
 助けに行く隊員は、救助用の浮き輪を持ち岸壁から飛び込み、泳いで現場に急行、要救助者に浮き輪をつけた。浮き輪にはロープが付いており、岸壁にいた隊員がすばやく手繰り寄せ、手際よく救助。要救助者は岸壁の階段を上がり助け出された。その後、応援として豊見城消防が駆けつけ、救助を開始した。
 また、海面に浮く意識のない要救助者役として人形が使用された。隊員らが、急行した那覇と米陸軍の水上ボートに搬送した。救助後、水上ボートは岸壁に横付け。担架で要救助者を引き上げた。その後、海中の捜索も実施。那覇と豊見城が範囲を分担し、捜索を行った。
 訓練開始式で、那覇市消防局西消防署の儀間武署長は「各機関が顔を合わせた訓練は、災害活動時の連携強化を図る上で重要。安全で確実、迅速な救助活動に大きく寄与する」と述べた。
 米陸軍司令本部の消防隊次長・ラルフ・バローン氏(54)は合同訓練について「那覇軍港内外でも行えれば」と話し、空港での事故やテロなどでも協力したいと意欲を見せた。陸軍消防隊の隊員らは日本人の軍雇用者なので、意思疎通も円滑に行えると指摘した。

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