ウィルタネン彗星(46P)が明るさを増し、双眼鏡で見られるほどになっている。沖縄で親しまれている星、むりかぶし(群星、すばる、プレヤデス星団)のそばを、15日から18日にかけて通過しており、美ら星ガイド・アドバイザーの宮地竹史氏が16日、その様子を石垣島のバンナ岳で撮影した=写真。
同彗星は、12日に近日点を通過し、太陽から遠ざかりつつあるが、16日には最も地球に近づき(0・077au=1555万㌔㍍)、双眼鏡で見える明るさになっている。
当初の予想では3等星まで明るくなるとされていたが、現在は4等星ほど。彗星の大きさは1・2㌔㍍ほどの氷の塊で、公転周期は5・44年。遠地点は木星軌道のあたり。
むりかぶしは、八重山諸島などで、昔から農作業の時期を決める目安にされてきた星で、沖縄でもっとも親しまれている星で、宮地氏は「まるでウィルタネン彗星がむりかぶしを訪ねてきたかのように見られた。一晩中楽しめるので、双眼鏡や小型の望遠鏡を使ってぜひ楽しんでほしい」と話した。