住民投票条例制定を請求 来月の臨時議会で審議へ 石垣陸自配備

中山市長に条例制定請求書を提出する金城代表ら=20日午後、市役所

 石垣市住民投票を求める会の金城龍太郎代表らが20日、市役所に中山義隆市長を訪れ、1万4263人の署名を提出し、石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備の是非を問う住民投票条例の制定を直接請求した。地方自治法に基く条例制定の直接請求は石垣市で初めて。中山市長は来月7日から9日の間に臨時議会を開き、条例案を提案する方針。沖縄防衛局は来年2月にも駐屯地建設の用地造成工事に着手する方針だが、住民投票の可否をめぐって与野党の攻防が激化しそうだ。

 金城代表は「なぜ、聖地とされる於茂登(おもと)岳のふもとを破壊し、有事には標的となりうる自衛隊基地をつくろうとしているのか。大事な於茂登の水や自然環境は十分に保全されるのか。後世に悔いを残さないために、市民の意思がはっきりと分かるような形にするべきだ」と求める条例制定請求書を中山市長に提出した。
 請求後、報道陣の取材に対し「1万4千筆の署名の重みを感じていたので、無事に提出できて安心した。(議会には)住民投票を実施してもらえると期待している」と述べ、2月24日の県民投票と同時に投開票することが望ましいとの考えを示した。
 中山市長は「速やかに議会が開会できるよう、年内に招集し、年明けの早い時期に臨時議会を開催したい」との考えを示した。
 条例案によると、住民投票は平得大股地区への陸自配備に対し「賛成」「反対」いずれかの欄に「○」印を記入して行う。
 市議会で条例案が可決されれば、住民投票が実施される。石垣市では2016年2月に新庁舎の位置を問う住民投票が実施された例がある。
 自衛隊配備を問う住民投票に対し、中山市長や与党は「安全保障問題は住民投票にそぐわない」と慎重な姿勢。野党は配備阻止に向けた最終手段として住民投票を積極的に推進する構えを示している。議会勢力は与党が多数だが、与党内からは住民投票を容認する声も上がっており、可決の可能性がある。
 地方自治法では、有権者の50分の1以上の署名で住民投票などの条例制定を直接請求できると定めており、署名数は要件を大きく上回った。

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