辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票の予算案を与那国町議会(前西原武三議長)が一般会計補正予算から削除したことを受け、外間守吉町長は26日、臨時会を開いて同予算の再議を求めたが、議長採決で否決された。外間守吉町長は「否決になっても執行する」と明言。地方自治法で定められた原案執行権を行使し、独自の判断で県民投票実施へ向けた手続きを進める考えを示した。
質疑で嵩西茂則氏は「県民投票は辺野古への賛否を問うのみ。普天間飛行場の移設については何ら触れられていない」と県民投票に反対。「否決した場合、町長は再度、予算を支出するのか」とただした。
外間町長は、「設問が二者択一なのが疑問とのことだが、それ以外を入れると倍の選択肢になる可能性がある。賛否を集約することがベター」とし、県民投票に理解を示した。さらに「否決になっても県民投票を執行する」と実施する意向を伝えた。
県民投票をめぐる討論で嵩西氏は、「反対すると普天間飛行場は今後、返還が不可能になる可能性がある。県民投票はそぐわない」と述べて反対した。野党の田里千代基氏は「議会と執行部は法令、条例を遵守し、有権者の権利を剥奪してはならない」と賛成した。
採決では、12月定例会で補正予算の修正に賛成した与那原氏が退席。賛否が4対4の同数になったが、前西原議長が再議の否決を決定した。与那原氏は「反対しても町長がやると言っているので、意味のない採決」と閉会後に説明した。
町議会は12月定例会で、一般会計補正予算案から県民投票の経費を削除した修正案を可決。臨時会では、この予算を再議するかどうかを諮った。外間町長は議会後の取材に対し、「県民投票の管理を義務的経費と見ているので執行する」と改めて県民投票の実施を明言した。