「ヨナグニサン幼虫の糞絞り染め体験」(アヤミアビル館主催)が23日、与那国島の徳美工房で開かれ、約20人が参加して染め物作業を楽しんだ。同イベントは2009年以来9年ぶりの開催。
染め物の原料はヨナグニサンの幼虫のふん。幼虫はアサの植物の種類によって、ふんの色が異なるため、染料として違う色が出る特徴がある。
今回はフカノキを食べたふんと、キールンカンコとアカギを食べたふんの2種類を染料として選定。同体験は2回に分けて実施。地域の子どもや大人が参加してにぎわった。
作業では無地の手ぬぐいに割り箸や輪ゴムを使って布を固定。ふんを煮出した釜に布を投入した際、独特のにおいが立ち込め、子どもたちは「変なにおい!」「くさい!」「うんこのにおい?!」と興奮する場面も見られた。
その後、フカノキ食のふんは緑色、混ぜたふんはオレンジ色に変身。様々な模様にもなり、オリジナル手ぬぐいが完成した。参加者からは「布を輪ゴムで結ぶのがおもしろかった」、「星を作りたかった」などの感想があった。
同館専門員の杉本美華氏によると、ふんの種類と定着液の種類によって、4~5種類の色に染めることができるという。同氏は「今後、定期的に取り組みたい」と話しており、次年度も計画する予定。
蛾のヨナグニサンは沖縄県の天然記念物に指定されている。