池坊琉櫻会八重山支所(與那國久枝支所長)は6日午前、新春の恒例行事である初生けを石垣市内ホテルで行なった。小学生を含む会員25人は、香りがよく純白でのびやかなスイセンを、ありのままの「出生の姿」に生けようと、静かに花と自分自身とに向き合った。
開始に先立ち與那國支所長は「池坊専応の『たとひ器用なしとも稽古のほど深ければ興ある姿を立出す事あり』との口伝が600年間も伝わってきている。この初生け会が、各自や支所の精進に重ねられれば」とあいさつした。
池坊専応は15世紀の初頭から中期にかけ活躍した池坊の生け花の名手。與那國支所長は口伝を、「たとえ器用でなくても自然界の花を好きであれば、そして稽古を積めば、自分の気持ちを表した花、人格やその人の持ち味が表出された花を生けられる」と解説した。
八島小学校4年の漢那樹理さん(10)は小学1年生から生け花を始め、初生けへの参加は4回目。先生からの助言を受けながら生けたが、「少しずつ難しいことが慣れてきたから、そろそろ一人でやってみたい」と自己の成長を確認し、これからの飛躍を意気込んだ。