NTTドコモは9日、次世代モバイル通信規格の5G(第5世代移動通信システム)を体験しながら、新製品や技術を開発できる「ドコモ5GオープンラボOKINAWA」をなは産業支援センターに新設した。ラボは東京、大阪に続く3カ所目となった。
ラボには「5G実験基地局装置」や高精細な「4K映像機器」、「VR(仮想現実)装置」などが設置され、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に登録する企業や団体が無償で利用できる。5Gの特長である「超高速・大容量」、「低遅延」、「多数端末接続」を活かした新サービスの創出に活用できるとして期待が集まる。同プログラムは昨年2月に始まり、全国で2000社以上、県内ではIT企業を中心に約50社が登録している。
同社取締役常務執行役員でR&Dイノベーション本部長の中村寛氏は、同日開かれたオープニングセレモニーで、「ラボを活用し、皆さまと共に沖縄発の新しいサービスを日本、世界に広めていきたい」とあいさつした。また企業や自治体、大学などと共に、「新しい5G時代のサービスを協創したい」と強調した。
「ボディシェアリング技術」を提供するH2L㈱の創業者で、早稲田大学理工学術院の玉城絵美准教授は「大学で研究された技術が、通信速度の観点から一般化できない状況だった。沖縄で5Gのサービスが始まり、イノベーションが起きることに身震いしている。世界で注目される場所になるだろう」と喜んだ。H2Lとドコモは同日、ボディシェアリング技術を活用した5G時代における新サービスの協創連携も発表した。ボディシェアリング技術は、筋変位センサーを活用し、身体情報をコンピューターと相互伝達することにより、他人の体験やVR・AR空間の体験を体に伝えることができる。
そのほかセレモニーでは10、11日に行われる今帰仁城跡での5G実証実験も紹介された。三山時代の今帰仁城を再現した4KVRコンテンツをヘッドマウントディスプレイやタブレット端末などに配信し、歴史に関する直感的な学習体験を提供するという。