イベント会場でのテロを想定した「県国民保護共同訓練」が24日、那覇新都心公園で行われた。内閣官房や消防庁、県、那覇市などが合同で実施した。県警や消防、自衛隊、医療機関など20機関から約300人が参加し、被害情報の収集や伝達、関係機関による初動対応の検証、応援要請などを訓練した。
県は2006年に県国民保護計画を策定しており、同訓練は2013年以来、2度目。
同公園での化学剤散布テロ事案と県立博物館・美術館敷地内での爆発物発見した事案を想定した。化学剤にはサリンが使われ、120人の死傷者が出たとされた。
訓練が始まるとテログループがサリンを散布し、負傷者役のSOLA沖縄県保健医療工学院と専門学校那覇日経ビジネスの学生ボランティアが次々と倒れ込んだ。検知や被災者の病状から、有機リン系の神経剤を伴う爆発であったことが判明した。各機関が連携して救出、救助、救護活動が行われた。
関係機関の調整を行う「現地調整所」も設置され、情報共有や災害医療チームDMATによる手当の緊急度に従った優先順位をつけるトリアージなどが行われた。そのほか避難世の設置や県警ヘリや応援消防ドローンなどが映像伝達訓練を行った。
消防庁国民保護室の大塚大輔室長は「非常に充実したものであった。日ごろから顔の見える関係を築いていただくことが重要」と講評した。
池田竹州公室長は「国民保護に関する対応手順を熟知し、迅速に対応できるよう訓練を実施することは大変重要。さらに訓練の充実、高度化を図る」と玉城デニー知事のあいさつを代読した。