竹富町教育委員会の仲田森和教育長と、特定非営利法人「紫外線から眼を守るEyeS Arc(アイズアーク)」(理事長・佐々木洋金沢医科大眼科学主任教授)の溝渕竜三朗理事は24日、町内の児童生徒に対し、紫外線が目に与える影響に関する啓発を実施することを申し合わせる覚書に調印した。町教委で開かれた調印式で溝渕理事は「竹富町は全国一紫外線が強いエリア」との認識を示し「帽子やサングラスなどで、適切に紫外線から目を守ってほしい」と呼び掛けた。
アイズアークは2018年2月に特定非営利法人として認証された。目が強い紫外線を浴びることで日焼けが起き、黒目の脇にしみができる瞼裂斑(けんれつはん)や、白内障などの症状が起きると指摘。「紫外線による目の障害は蓄積し、疾患として発症する」と警告し、帽子やサングラスの日常的な着用促進などを呼び掛けている。
昨年、町教委の協力を得て西表島の小中学生188人の目を検診したところ、小学校6年生では8割に瞼裂斑が確認された。アイズアークの所在地である石川県内灘町の小学6年生に比べ、4倍の所見率だったという。
覚書では、アイズアークが竹富町の小中学校で紫外線の目への栄養に関する啓発活動を実施することを盛り込んだ。具体的には6月以降、小中学校での授業や、啓発用ポスターを提供することなどを想定している。昨年には既に、子ども用サングラスを全児童生徒に寄贈している。
26日に開かれる町学力向上推進実践発表会では、アイズアーク理事で金沢医科大の初坂奈津子眼科学助教が講話する。
仲田教育長は「小さい時から自分の目は自分で守る意識を子どもたちに植え付けたい。サングラスに違和感を持つ保護者もいるが、医学的な見地から説明すれば認めてもらえるだろう」と期待した。