自動カメラで野ネコ調査 ゼロ目標、ヤマネコ保護へ 竹富町

野ネコゼロを目指す事業計画が進められている(写真は竹富島の野ネコ)

 西表島の野ネコの生息を確認しようと、竹富町が新年度予算に野ネコ調査費を計上している。同事業は島内に定点型自動撮影カメラを設置する計画。野ネコが感染症を保有している場合、イリオモテヤマネコに感染する危険性もある。同町は、ヤマネコ保護のために西表島を野ネコゼロの島としたい考え。

 野ネコ調査はペット適正飼養推進事業で行われる。一括交付金事業で予算は1217万3千円。このうち野ネコ調査費は約240万円。
 同推進事業は、2012年度から竹富町事業として展開している。これまでに、04年度から18年度までの15年間、383頭の野ネコを収容した。
 収容数が最大だったのは06年度の87頭。竹富町政策推進課によると、当時は各島に不衛生なゴミ捨て場があり、生ゴミなども投棄され、野ネコが繁殖した歴史があった。そこで同町は04年度から、不衛生なゴミ捨て場を順次閉鎖。生ゴミ処理に関してはコンポストを設置して対応し、18年度の収容数は5頭にまで減った。
 西表島で野ネコの存在は、イリオモテヤマネコに脅威を及ぼす。
 野ネコは、白血病やFIV感染症(ネコエイズ)などの病原体を保有していることがあるようで、イリオモテヤマネコへの感染も懸念されている。
 政策推進課の担当者は、「野ネコが野生にいると、さまざまな動植物を捕食してヤマネコと競合してしまう可能性がある」と危険性を指摘。「目標は全てのネコに飼い主がいて、管理している状況。事業で管理されていないネコを確認したい」と述べた。
 同町によると、野ネコの感染症は▽13年度4頭▽14年度2頭▽15年度2頭―と推移。16、17年度ではゼロとなった。イリオモテヤマネコへの感染は確認されていない。

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